数学科だより

2024.03.23

  • 数学科

本校の数学教育にまつわる近々の話題を3つお届けします。

その1 大盛況!数学プレゼンテーション授業

本校では、文理に別れる直前の高1の三学期に、6人前後で1チームとし、数学にまつわるものであればあらゆるテーマを可とした自由研究&発表の「数学プレゼンテーション大会」をおよそ2週間開催しています。

今年度はそのプレ版として中2でも開催されました。

発表内容は、「フェルマーの最終定理とは?」、「アミダくじの歴史」、「ユークリッドとビタゴラス(これは劇で行われました)」といった数学史にまつわるもの、「一筆書きからのトポロジー」、「三角形の内心と傍心の軌跡」といった幾何学系統、「フィボナッチ数列と自然植生、人工植生」、「相対性理論と数学」といった数理の融合etcでした。

中高あわせておよそ100チームの発表は実に壮観でした。

日頃から数学を愛好する生徒がその好奇心を存分に発表することはもとより、プレゼンに優れる生徒や、パワーポイント原稿の作成に異能ぶりを見せる生徒、演劇などのパフォーマンスで魅了する生徒などなど、座学を離れたこの企画は、実に多くの生徒に活躍の場が与えられるもので、普段の教室で見られる生徒の姿とは違った面が存分に引き出されます。

オリジナルの発見をし、その証明をつけて定理とできたチームを始めとした、格別の結果を得た中学2チーム(他に審査員特別賞1人)、高校3チームの計35人に、本校数学科からプレゼンテーション大賞が授与されました。

なかには専門誌への投稿をすべく、論文の準備をはじめる生徒もおり、その結果が期待されます。

文理混成のラストだからこそ、専門的になりすぎぬよう聴衆の興味を惹起する努力が必要です。
その経験が必ずや将来に資すると信じて、この時期に開催しています。

そして何より、この種の試みにより、広く数学の才能が発掘されることに期待しております。
はやくも来年度の実施が楽しみです。

▼中学生プレゼンの様子

▼高校生プレゼンの様子

その2 定期数学交流会実施

3月16日(土)の午後、武蔵高中さんにて、「数学定期交流会」を実施。

参加校は、レギュラーの本校、武蔵高中さん、学習院中等科さんに加え、今回はゲストとして昭和女子中さんをお招きしました。

講演テーマは、「コラッツ予想の試行回数」、「三角形の内心と傍心がおりなす幾何学」、「角の三等分線とフェルマー点」、「完全数」、「ヴィエトによる3次方程式の解法」、「正多角形の分割」など、非常にバラエティに富んだものでした。

途中と最後の休憩時間には、講演者への質問で活況を呈していました。

今回の交流会もとても充実したものとなりました。
参加校の皆様、ありがとうございました。

次回の本校の数学交流会は月末に、本校で、昭和女子高の皆様と、数学アートをテーマに開催されます。

その3 松岡文太郎賞授与式 

既報の通り、昨夏に日本で行われました「国際数学オリンピック」で銀メダリストに輝いた高3生の林康生君に、第七回松岡文太郎賞が授与され、賞状と記念のクリスタルトロフィーが授与されました。

四月からは大学で数学を専攻予定の同君。
益々の活躍が期待されます。

(数学科)